#author("2024-05-09T10:01:45+00:00","default:mogamin","mogamin") #author("2024-10-19T08:52:59+00:00;2024-05-09T10:01:45+00:00","default:mogamin","mogamin") * RTA50i [#pfc9190d] #ref(./rta.jpg,right,around,12%); ヤマハから発売されていた ISDN ホームルータ。 YAMAHA ISDN TA/Remote Router NetVolante RTA50i https://www.rtpro.yamaha.co.jp/archive/RTA50i/index.html #clear ** なにができる at 2024 [#d1093b64] ISDN 回線を上流につないで使うことが前提のリモートルータなので、それなしでできることは限られる。 - LAN をまたがない IPv4 のルーティング - 疑似 LAN を使ったシリアルポートからの IP 接続 - POP (without SSL/TLS) サーバに来たメールを通知する - POP (without SSL/TLS) サーバに来たメールをほかの SMTP (without SSL/TLS/Auth) へ転送する - TEL1 - 3 につないだ電話機同士の内線通話 - etc.? INS64 の新規受付終了は2024年8月末なので、記事を書いている2024年5月のいまでも開設はぎりぎりできるはず。どうしよう。 またダイヤルアップ接続を提供している ISP も検索するといくつか散見でき((こうした今に生き続けるダイヤルアップサービスは、[[ISP のメールアドレスを維持するために利用しているというユーザ>https://blog.nic.ad.jp/2017/1515/]]もいるようだ))、P-MP 接続を提供しているというところもあるので、こうした ISP と契約してインターネットへのアクセスルータにすることはまだできそう。 ISDN 回線をすでに引いてある場合は、2028年末までは RTA50i をつかってダイヤルアップと電話機・FAX の発着信ができる。と思う。 [[こういうアダプタ>https://www.ntt-west.co.jp/smb/kiki_info/product/network/vg230i/]]は使えるのだろうか? ** できないこと [#f4ed7c04] LAN インタフェースが1つしかないので、現代のルータはもれなく装備しているような機能がなかったりする。常時接続時代に入る前の製品なのでしかたない。 - 2つの LAN 間のルーティング - pp 宛先以外の NAT - PPPoE - IPv6 (in 正式ファーム) ** シリアル接続 [#q664235f] シリアル端子は DCE((Data Circuit terminating Equipment)) になっているので PC との接続には RS-232C ストレートケーブルが必要。ルータ設定に使うクロスケーブルは使用不可。 ボーレートは PC 側の設定に合わせてくれるようだ。 端末を立ち上げるとモデムとして動作し、AT command((https://en.wikipedia.org/wiki/Hayes_AT_command_set)) というコマンド体系を受け付ける。`at&r` と打つと、いつものヤマハルータのコンフィグに入れる。 at # OK at&r # OK (Enter) # Password: (Type your password) # RTA50i Rev.3.03.29 (Thu Apr 1 22:11:19 1999) # Copyright (c) 1994-1999 Yamaha Corporation. # 00:a0:de:**:**:** # Memory 4Mbytes, 1LAN, 1BRI # > ? # ? account administrator analog pp isdn clear cold connect console date dhcp dis # connect dns exit help ip leased less login mail-check nat nslookup ntpdate pack # etdump ping ppp provider quit rdate remote restart save schedule security seria # l show syslog telnet tftp time timezone traceroute wins ** 疑似 LAN について [#e7102273] シリアルポートでつながっている PC をシリアル経由で LAN に参加させる機能がある。 https://www.rtpro.yamaha.co.jp/archive/RT/FAQ/TA/rt-with-ta.html https://www.rtpro.yamaha.co.jp/archive/RT/FAQ/TA/Pseudo-LAN.html 内部の動作のイメージは、TA 機能のモデム部から RTA50i 内の仮想のアクセスポイントにダイヤルアップし、張られる PPP の RTA50i 側の端点をルータ機能 (lan) に向けている感じのよう。 差動伝送が通信を支配する時代に、自分の手で構築した不平衡線路を使って IP 通信するのはたのしい。 通信速度は最大で 112.5Kbps で、阿部寛のホームページも快適に閲覧可能。 *** IP アドレス付与 [#kc02e7b9] PPP の相手に IP アドレスを割り当てるには、RTA50i の DHCP サービスが起動している必要がある。 ただ、RTA50i は DHCP の on/off をインタフェースごとに制御することはできないので、たとえば LAN 内ですでにほかの DHCP サーバを運用しているとき、疑似 LAN 機能を使うために dhcp service server すると、余計な DHCPOFFER が LAN 内にブロードキャストされてしまう。 これは ip filter で lan から出て行く dhcps (67) をソースポートとするパケットを reject することで阻止できた。 ip filter 1 reject-nolog * * udp dhcps * ip filter 99 pass * * * * * ip lan secure filter out 1 99 dhcp service server dhcp scope 1 10.0.50.2-10.0.50.2/30 *** 疑似 LAN 配下と外部との疎通方法 [#j7081923] 疑似 LAN 配下の PC と外の LAN やインターネットとの疎通は、PPP のサブネットを LAN と別にする場合はルーティングで、PPP のサブネットを LAN のアドレスの範囲に包含する場合は ARP プロキシでできる。 ルーティングは静的経路でもいいけれど、RIP が有効なら RTA50i が疑似 LAN の IP を RIP で広告してくれる。 LAN 内で RIP がうごいてないなら ARP プロキシがたぶんラク。NAT はできなさそう。 別サブネット + RIP で経路広告する場合 ============= LAN 192.168.0.0/24 | +--------+ 192.168.0.160 | RTA50i + +--------+ 10.0.50.1 : : PPP : +-----+ 10.0.50.2 | P C + +-----+ ip lan address 192.168.0.160/24 ip lan secondary address 10.0.50.1/30 ip lan routing protocol rip2 dhcp service server dhcp scope 1 10.0.50.2-10.0.50.2/30 包含サブネット + ARP プロキシの場合 ============= LAN 192.168.0.0/24 | +--------+ 192.168.0.160 | RTA50i + +--------+ : : PPP : +-----+ 192.168.0.161 | P C + +-----+ ip lan address 192.168.0.160/24 ip lan proxyarp on dhcp service server dhcp scope 1 192.168.0.161-192.168.0.167/24 *** 接続 [#ndf25820] MacOS 12 の例。 ネットワーク環境設定からインタフェースをシリアルのデバイスとしてサービスを新規作成し、電話番号に `atdt****` (**** は RTA50i で設定した疑似 LAN のダイヤルアップ番号) を入力。 詳細設定から 製造元: 一般、機種: Dialup Device にする。 DNS は RTA50i がリカーシブサーバになってくれる。 Connect to LAN with rta50i http://browncat.org/palm/rta50i.html https://browncat.org/palm/rta50i.html ** IPv6 対応 [#p5568402] 実験的な対応がされている (更新日の「2018/Nov/06」はおそらくサーバ移転日などだろう……) あとでためす。 WS-ONE, IPv6 trial implementation for YAMAHA RT series https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/ipv6/ws-one.html